【Wi-Fi】セキュリティ対策5選と無線LANの暗号化方式を徹底解説

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【Wi-Fi】セキュリティ対策5選と無線LANの暗号化方式を徹底解説

「Wi-Fiのセキュリティについて、考えたことはないかも…」Wi-Fiを日常的に使っていますが、セキュリティを意識している人は少ないです。Wi-Fiのセキュリティが不十分だと個人情報が盗まれたり、不正アクセスを受けたりするリスクが増加します。

この記事では、Wi-Fiのセキュリティの重要性と対策について解説します。Wi-Fiのセキュリティを強化すれば個人情報を守りながら、安全にインターネットを利用可能です。最後まで記事を読んでWi-Fiのセキュリティに対する知識と設定方法を把握し、快適なWi-Fi環境を整えましょう。

Wi-Fiセキュリティの重要性

Wi-Fiセキュリティの重要性

Wi-Fiのセキュリティ設定や強化策は、以下3つの観点から重要です。

  • 個人情報の保護
  • データの盗聴や改ざんの防止
  • 不正アクセスの防止

個人情報の保護

個人情報保護のためには、Wi-Fiのセキュリティ設定が重要です。Wi-Fiから個人情報が漏えいすると、詐欺や不正利用のリスクが高まります。より強い暗号化方式の利用と強力なパスワード設定により、第三者に情報を読み取られるリスクを減らせます。

公共Wi-Fiを利用する場合は、セキュリティに十分注意してください。中には悪質なネットワークが公共Wi-Fiに偽装されているケースがあり、うっかり接続すると個人情報を盗まれます。信頼できるネットワークの利用が基本であり重要です。しっかりとしたセキュリティ対策で個人情報を守りましょう。

データの盗聴や改ざんの防止

データの盗聴や改ざんの防止

企業Wi-Fiでは、データ盗聴や改ざんに注意が必要です。元従業員が競合他社に転職する際に、社内データの持ち出しや改ざんが発生するケースがあります。IT企業でデータ改ざんが発生すれば死活問題です。データの盗聴や改ざんを防ぐには、使用権限をもつデバイスの厳重な管理が欠かせません。

退職者やゲストが使用していたデバイスは適宜無効化すると被害を防げます。個人だけでなく、企業単位でのセキュリティ意識も重要です。

不正アクセスの防止

近年、ネットワークにつながるデバイスの急増により、不正アクセス被害も増えています。不正アクセスを許すと個人情報の漏えいやデータ盗聴のみならず、デバイスを勝手に操作されるなどの被害が拡大します。悪質なアクセスからデバイスを守るためにも、セキュリティ対策を徹底しましょう。

通常、Wi-Fiは24時間起動しており、家や会社にいる間はデバイスがWi-Fiと常時つながっています。セキュリティが甘いWi-Fiにデバイスをつなげる行為は、対策なしでネットワークにアクセスする行為と同じく危険です。

不正アクセスはさまざまなリスクの温床となるため、ルーターの設定をいま一度見直してください

Wi-Fiセキュリティの種類

Wi-Fiセキュリティの種類

Wi-Fiセキュリティの暗号化方式には、以下の4つがあります。

  • WEP
  • WPA
  • WPA2
  • WPA3

WEP

WEPは「Wired Equivalent Privacy」の略称です。1997年に導入された最初期のWi-Fiセキュリティ規格です。RC4ストリーム暗号を使用し、64ビットまたは128ビットの鍵長をもちます。ただしWEPにはいくつかの脆弱性があり、ハッキングが比較的容易です。

WEPは古い暗号化形式であり、現在のセキュリティ基準を満たしていません。現在はごく短い期間の使用や古いデバイスとの互換目的でのみ使用されています。一般家庭でWi-Fiを使う場合は、WEPは使用しないでください。

WPA

WPAは「Wi-Fi Protected Access」の略称です。2003年にWEPの脆弱性を補うために開発されたセキュリティ規格です。「TKIP」という暗号化技術を採用しており、第三者による解析が難しく、セキュリティ性がWEPより優れています。

TKIPは短期間で暗号キーを変更するため、WPA方式のWi-Fiパスワードを解読するには長期間のハッキングが必要です。WPAは今でも多くの環境で使用されていますが、より強力な暗号化技術も登場しています。厳重なセキュリティ環境を必要とする企業では、WPAでは不十分な場合があります。

一般家庭レベルであればWPAでも十分なセキュリティ環境を構築可能です。しかし、上位のセキュリティ規格を利用したほうがより安全です。

WPA2

WPA2

WPA2は「Wi-Fi Protected Access II」の略で、WPAの後継として2004年に導入されました。強力な暗号化技術「AES」を採用していて、一般的な方法では暗号キーの解読が不可能です。WPA2は多くの家庭や企業で使われている、現在のWi-Fiセキュリティの標準規格です。

WPA2には「WPA2-Personal」と「WPA2-Enterprise」の2種類のモードがあります。WPA2-Personalは個人用、WPA2-Enterpriseは企業用で認証方法が異なります。企業はサーバー認証がメインのWPA2-Enterpriseを使用しましょう。

強力な暗号化方式を採用しているWPA2にも、わずかながら脆弱性が存在します。不正なネットワークからアクセスされる可能性があるため、後継のWPA3の使用をおすすめします。

WPA3

WPA3は「Wi-Fi Protected Access III」の略です。2018年にリリースされた最新の暗号化方式です。最新のセキュリティと認証方式を採用しており、Wi-Fiネットワークの安全性を大幅に向上させています。WPA3の大きな特徴として、個別データ暗号化技術「SAE」が含まれます。

デバイス間の通信が個別に暗号化されるため、強固なパブリックネットワークを構築可能です。ブルートフォース(総当たり)アクセス攻撃へのセキュリティも完璧で、WPA2の脆弱性をカバーしています。

WPA3にはWPA2同様「WPA3-Personal」と「WPA3-Enterprise」の2つのモードが存在します。企業のみならず一般家庭においても、WPA3が最も優れたWi-Fi暗号化方式です。

Wi-Fiセキュリティを高めるための対策

Wi-Fiセキュリティを高めるための対策

Wi-Fiセキュリティを高めるためには、主に以下5つの対策が挙げられます。

  • SSIDの設定変更
  • ステルス機能の活用
  • ルーターのパスワード変更
  • ソフトウェアの更新
  • セキュリティレベルの高い暗号化方式の利用

SSIDの設定変更

SSIDとは、Wi-Fiネットワークの名称です。Wi-Fiセキュリティの強化において、SSIDの名称変更は地味ですが重要です。デフォルトのSSID名のままだとセキュリティ意識が低いネットワークと見なされ、不正アクセスの標的とされやすくなります。

SSID名の変更方法はルーターにより異なりますが、多くの製品では以下の手順で操作可能です。

  1. ブラウザにルーターのIPアドレスを入力
  2. 初期設定のユーザー名とパスワードでログイン
  3. 無線設定またはWi-Fi設定を選択
  4. 現在のSSIDを確認して新しいSSIDに変更
  5. 変更を保存してルーターを再起動

変更後は接続しているすべてのデバイスのWi-Fi設定を更新する必要があります。必要に応じてWi-Fiパスワードも一緒に変更しましょう。変更後のSSIDとパスワードをメモしておくと、後で確認する際に便利です。SSIDの設定変更は、Wi-Fiネットワークのセキュリティ向上に有効です。

ステルス機能の活用

ステルス機能の活用

Wi-Fiルーターには、SSIDを見えにくくするステルス機能があります。SSIDを非公開にすると他者のデバイスに表示されなくなるため、不正アクセス防止にも効果的です。Wi-Fiに接続可能なデバイスを限定する設定と併用すると、セキュリティをより強化できます。

ステルス機能を活用すると無駄な接続を防ぎ、セキュリティのみならず全体のトラフィック効率化にも役立ちます。セキュリティリスクの大幅な減少により、より強固なネットワークの構築が可能です。

ルーターのパスワード変更

ルーターのパスワードは、こまめに変更しましょう。初期設定パスワードは推測されやすく、不正アクセスのリスクが高いです。パスワード変更方法はルーターによって異なりますが、多くの製品では以下の流れに沿って設定できます。

  1. ルーターにログイン
  2. パスワード設定画面に移行
  3. 新しいパスワードを入力
  4. 確認のために再入力
  5. 変更を保存
  6. ルーターを再起動

パスワードを変更したら、新しいパスワードを安全な場所に保管してください。デジタルではなくアナログで書き留め、家族以外には見られない場所に保管すると安心です。パスワードの変更は不正アクセスの防止に役立ちます。

ファームウェアの更新

ファームウェアの更新

ルーターのファームウェアは、常に最新バージョンに更新しましょう。最新のファームウェアにはセキュリティパッチが適用されており、最新のセキュリティ対策がなされているからです。更新の操作手順は、以下のとおりです。

  1. ルーターにログインする
  2. 本体設定に移行する
  3. ファームウェアアップデートを行なう

ファームウェアを更新すると、ルーターが自動的に再起動されます。更新の際は、接続しているすべてのデバイスをオフラインにしてください。メーカーによってはファームウェアの自動更新機能が搭載されており、設定しておくと手間が省けて便利です。

セキュリティレベルの高い暗号化方式の利用

Wi-Fiのセキュリティ性能を高めるには、強力な暗号化方式の採用が最も重要です。Wi-Fiの暗号化方式には、以下4つの種類があります。

  • WEP
  • WPA
  • WPA2
  • WPA3

最も強力なWPA3の利用をおすすめします。最新の暗号化方式で、あらゆる不正アクセスの防止に効果的です。一般家庭で「WPA3-personal」を導入すれば、パスワードが漏えいしない限り安全なWi-Fi環境を守れます。接続可能なデバイスの限定により、より強固なセキュリティ環境の構築も可能です。

【パターン別】Wi-Fiセキュリティを高めるための対策

【パターン別】Wi-Fiセキュリティを高めるための対策

以下の3パターンで、Wi-Fiセキュリティを高めるための対策を解説します。

  • 家庭用Wi-Fi
  • 企業用Wi-Fi
  • 公共Wi-Fi

家庭用Wi-Fi

家庭用のWi-Fi環境では、以下の4点を守れば十分なネットワークセキュリティを実現可能です。

  • WPA3の使用
  • 定期的なパスワード変更
  • 定期的なファームウェアアップデート
  • ゲストネットワークの設定

最新の暗号化方式WPA3の使用が基本ですが、定期的なパスワード変更も重要です。定期的に変更していると、万が一パスワードが漏えいした場合でもすぐに対応できます。パスワード変更の際にはファームウェアも忘れずにアップデートしましょう。多くの人が見落としている対策として、ゲストネットワークの設定があります。

家庭用ネットワークとゲスト用ネットワークを使い分けると、来客のデバイスも安全に接続できます。常に接続を監視すれば、安全性の高いネットワーク環境を構築可能です。

企業用Wi-Fi

企業用Wi-Fi

企業の情報漏えいは甚大な影響をもたらすため、専門的なセキュリティ対策が欠かせません。最低限実施すべき対策は以下の3点です。

  • WPA3-enterpriseの使用
  • 専門セキュリティチームの組織化
  • VLANの利用

企業ではサーバーでデバイスを認証する形式の「WPA3-enterprise」を使用しましょう。デバイスを接続する際にサーバー側で認証が必要になるため、不要・不正なデバイスのアクセスを防止できます。必要に応じて、手動で個別のアクセス認証をする方法も有効です。

現代では、専門のセキュリティチームを組織する企業も増えています。情報社会では機密情報の漏えいは死活問題であり、専門的にネットワーク管理にあたる人材の確保が欠かせません。VLANを利用してネットワークを分割すればネットワーク間の転送制限が可能で、セキュリティ強化も期待できます。

公共Wi-Fi

多くの公共施設や飲食店では、無料の公共Wi-Fiが提供されています。簡単に使える公共Wi-Fiは便利ですが、セキュリティ面では注意が必要です。以下の対策で安全性を確保しましょう。

  • Wi-Fiの自動接続を切る
  • 怪しい公共Wi-Fiに接続しない
  • VPNを使用する
  • 公共Wi-Fi接続中に個人情報を入力しない

Wi-Fiの自動接続機能をONにしている場合、外出時は必ずOFFにしてください。ON状態では、過去に接続履歴のあるWi-Fiに自動接続してしまうため、セキュリティリスクが高まります。パスワード設定のない公共Wi-Fiには、絶対に接続しないでください。

公共Wi-Fiへの接続が必要な場合は、VPN設定がおすすめです。VPNを介してネットワークに接続すれば、第三者に通信内容を見られるリスクを減らせます。VPNはアプリで設定できるほか、iOSとAndroidともにデフォルトで接続機能が搭載されています。積極的に活用しましょう。

公共Wi-Fiに接続しているときは、個人情報の入力やサイトへのログインを避けてください。設定はもちろん、自身のセキュリティ意識を高めて、安全に公共Wi-Fiを活用しましょう。

Wi-Fiセキュリティのよくある質問

Wi-Fiセキュリティのよくある質問

Wi-Fiセキュリティに関してよくある質問を解説します。

Wi-Fiが安全か確かめる方法は?

自身の使っているWi-Fiが安全かどうかは、以下3つのポイントでチェックします。

  • パスワードの有無
  • 暗号化方式の確認
  • 最新のファームウェアの使用

パスワード設定のないWi-Fiへの接続は、セキュリティ対策なしでのネットワーク利用と同じくリスクが高いです。自宅のWi-Fiにパスワードが設定されていない場合は、今すぐ設定してください。パスワード設定の暗号化方式は最新のWPA3を選択しましょう。

ルーターのファームウェアが最新バージョンに更新されているかの確認も重要です。最新ファームウェアにはセキュリティの脆弱性への対策が含まれるため、定期的なアップデートが欠かせません。ファームウェアの更新時は接続が切断されるため、ほかのデバイスとの接続を解除してから実施してください。

ルーターのセキュリティ環境を正しく設定すれば、Wi-Fiの安全性を確保できます。
» モバイルルーターとは?仕組みと設定方法

ホテルのWi-Fiは危険?

ホテルのWi-Fiは危険?

ホテルのWi-Fiは宿泊者の多くが利用するため、セキュリティリスクがかなり高いです。不特定多数が利用するネットワークはデータの盗聴や不正アクセスの原因となります。安全性を優先して、個人情報の入力やサイトへのログイン、重要なデータの転送は避けましょう。

ホテルのWi-Fiを利用する場合は、VPNを設定してから接続してください。VPN利用で通信を暗号化すれば、第三者がデータを読み取りにくくなりセキュリティリスクを大幅に減らせます。しかし強固なセキュリティの確保が必要な場合は、自前のモバイルデータ通信など、安全性の高いWi-Fi利用を用意しましょう。
» ポケットWi-Fi(モバイルルーター) のおすすめな選び方

Wi-Fiセキュリティが低いとどうなる?

Wi-Fiのセキュリティレベルが低いと、以下のようにさまざまなトラブルの発生リスクが高まります。

  • 個人情報の漏えい
  • データの盗聴や改ざん
  • フィッシング詐欺やマルウェア感染のリスク
  • 不正アクセスによる犯罪行為への利用

個人情報の漏えいは最も代表的なリスクです。ネット上のIDやパスワード、クレジットカード情報などの重要な情報が漏えいする危険性があります。データの盗聴や改ざんも大きな問題です。不正データの送受信によりプライバシーが侵害され、重要なファイルが削除されたりデバイスが破壊されたりするケースもあります。

フィッシング詐欺やマルウェア感染のリスクも高いです。不正なWebページに誘導されると、情報を盗まれて悪用される可能性があります。不正アクセスにより自身のデバイスが犯罪行為に利用される危険性もあるため、確実なセキュリティ対策を心がけてください。

まとめ

まとめ

Wi-Fiのセキュリティの種類には「WEP」「WPA」「WPA2」「WPA3」の4つの種類があります。最もセキュリティ性能が高く、信頼できるのは「WPA3」です。Wi-Fiのセキュリティ性向上は、以下の3点においてとても重要です。

  • 個人情報の保護
  • データの盗聴や改ざんの防止
  • 不正アクセスの防止

Wi-Fiセキュリティへの意識をおろそかにすると個人情報が盗まれ、悪用される危険性が高まります。公共Wi-FiやホテルのWi-Fiは危険性が高く、アクセスする際は安全対策が必須です。施設で提供されているWi-FiではVPNを設定すると、比較的安全にWi-Fiを利用できます

家庭用や企業用など、Wi-Fiの使用環境に応じて適切な対策を講じれば、安全なインターネット利用が可能です。いま一度Wi-Fi設定を見直し、より強固なセキュリティ環境を構築しましょう。

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